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2階は懐中電灯をつけていてもなんだか暗くて奥は真っ暗で何があるか全くわからない。
「ねぇ、ちょっと健人と光。あんまり早く行かないでよ。加奈と桃華まだこっちまで来てないんだから。」
怜子は前方を歩く健人と光を見ながら言った。
「おー、わかった。」
健人はピタリと足を止めた。
ビビっている光は健人にしがみついていた。
「光、ウザイって。離れろよ。」
呆れた顔をして健人は言う。
「無理。死ぬ。無理。」
真っ青な顔をしてガクガク震える光は言った。
加奈たちはようやく怜子、聡美、真が歩く所までに追いついた。
「ねぇ、もう帰ろうよー。」
桃華はまた駄々をこねる。
「桃華、もうちょっと頑張ろうよ。」
加奈は苦笑いしながら桃華を励ます。
「ぶーっ。」
桃華は文句をブツブツ言いながら、健人と光のいるところまで皆と歩いた。
「おーし、ようやく皆来た!なあ、ここの部屋入らねー?」
健人は右側にあるドアを指差しながら行った。
「えっ?部屋入るの?」
加奈が聞くと何故かそのドアがキィッと音を立てて少しだけ開いた。
「えっ…今開いた?」
加奈は驚いて少し震えた声で言った。
「キャアアッ!やだっ!!怖いよぉっ!」
桃華は声を上げて健人にしがみついた。
もちろん光も健人によりいっそうしがみついた。
「2人ともビビりすぎなんだよ。あと加奈も。風だよ、風!気にしすぎだって。」
健人だけはお気楽にも笑顔でそう言った。
怜子、聡美、真は不気味そうに開いたドアを見ていた。
「で、どうする?入る?」
健人が再び聞いた。
「やめとこうよぉ。」
桃華は怯えた声で言う。
「大丈夫だろ?入ろうぜ?な、加奈!」
「えっあたし?でも………。」
嫌な感じがする。
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