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するとなぜかドアに見知らぬ男の子が立っていた。
皆驚いて声が出なかった。
「やあ、こんばんは。」
男の子は少し長めの黒髪に美しく整った顔をしていた。
でもどこか悲しそうな瞳をしてる。
とても不思議な男の子に見えた。
皆、男の子に話かけられたが、こんな状況で知らない男の子に話かけられたことに驚きが隠せなくて、何も返事を返すことができなかった。
「何、僕のこと無視?」
男の子の不満そうな顔を見て加奈はハッとした。
「あっ違うの!えっと………。」
加奈はとっさに言ったはいいが、次になんて言ったらいいか分からず、言葉が途切れてしまった。
「僕は水城秀章。中学2年生だよ。」
「あっあたしは三崎加奈っ。あとは……。」
加奈は自己紹介した後、皆のことも秀章という男の子に話した。
「ところで、皆はこんなところで何をしているの?」
秀章がそんなことを聞いてくるので、加奈は今までの経緯を秀章に話した。
「それは大変だったね。この子が死んだ聡美ちゃんか。」
秀章はそういうと聡美の死体に近づく。
「あっ何をしているの!?近づかないほうがいいわよ!」
怜子が慌てて秀章に言う。
「僕なら大丈夫だよ。」
秀章は少し誇らしげに笑った。
「それよりさ、もう一度この本棚に触ってみる?」
「いっ嫌だよ。それに触って聡美はこんなことになっちゃったんだよ!?」
加奈は秀章が恐ろしいことを言うので、本気で嫌がった。
「あっそう?」
秀章は詰まらないなあといった顔をした。
「それよりなんで秀章くんはこんなところにいるの?」
加奈は秀章に問いかけた。
「ああ、俺も加奈と同じことを思っていた。なんで一人でこんなところにいるんだ?」
真が不思議そうに秀章を見ながら言った。
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