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日差しが暖かい春の朝。
少女はせっかくの休日だからと、散歩に出掛ける用意をしていた。
財布に携帯、リュックを背負い、いざ外へ…と思ったが、自室の扉の前で鍵を忘れたことに気付き、部屋へ引き返していた。
鍵を取り、外へ…
誰も居ない家、それでも少女は
「…行ってきます…」
と一言…その言葉は虚しく空気にとけていった。
少女は近くの公園の桜の下でリュックをおろし、そこから本を取り出した。
その本は、とても不思議な名前をしていた。
『無題の本』
その名は彼女が付けた名で、実際に名が無いのでこのような名で呼んでいる。
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