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桜の木の下で、少女は本を読むのが好きだった。
その日はたまたま読む本が無く、「無題の本」を持って公園に来ていた。
この本は、内容と題名が無い、真っ白な本に、少女は不思議な魅力を感じていた。
そんな事を考えていたら春一番が吹いた。
その風で髪が乱れないように手で押さえていたら、本が音を立ててめくれた。
風が止んでもまだ本はめくれ続けた。
そして、本はあるページで突如として止まった。
そこには、ある物語がかかれていた。
今まで何度読み返しても何も書かれていなかったはずのページに、文字が浮き出てきたかのように書かれていた。
その物語の名は…
「奇面の女」
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