一界目 荒れ地と空

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まぁ、それはともかくとして、結構な人数だな。 俺は正確な人数を確認するべく、周囲を見渡す。 サラリーマンっぽい奴が五人。 上は黒のパーカー、下はダメージジーンズの美少年(美少女?)が一人。 ブレザータイプの制服を着用している高校生(男女含め)八人。 柄の悪い男が五人。 んで坂市さんと説明口調女。 そしてひたすら俺を睨みつけるセーラー服少女が一人。。 なんかしたか俺。 なんもしてないぞ俺。 てかできねーよ、ニートだもん。 「新しい奴だな。お前誰だ?」 俺は心の中でため息を吐いていると、黒パーカー美少年が話し掛けてきた。 「あ? 俺? んーとな。色峰睦月だ。うん」 「色峰か……。俺は西可零次(さいかれいじ)。よろしくな?」 なにこいつ。 なにげに良い奴じゃないか。 「あぁ、よろしく」 と、挨拶を交わし、ある”所”に近寄る。 俺の目線の先には、普通サイズのブラウン管テレビが宙に浮いていた。 俺の肩くらいまでだろうか? この光景は異常だ。 いくらなんでも、怪奇過ぎる。 その怪奇な光景を見て絶句する俺。 「……なんで」 「さあな。でも最初から有ったらしいぜ? このテレビ」 気づいたら俺の隣に西可くんが居ました。
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