一界目 荒れ地と空

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「んだよありゃあ……」 西可は目を見開き、愕然としていた。 まぁ、俺も西可と同じ心境なんだが。 俺の目線の先、つまり空中、つまりは上に黒いスーツを着た少女が浮いていた。 浮いているというよりも、空中に立っている、まるで少女の足元に見えないなにかがあるような………。 そんな異様な光景。 非現実的な光景。 でも、言いたいんだ。 そんな光景を見たからこそ言いたいんだ。 あの言葉を。 でも今言ったら。 「おいお前ッ!! どうせなんかしら仕掛けがあるんだろ? そんなんされてもつまらないだけだから早く降りてこい」 あ、俺が考えてたこと説明口調女が言っちゃったよ。 んでもって俺にウインクしてんじゃねーよ。 なんだよお前。 「はぁはぁ……ど、どうだ? 少しは惚れたか?」 あ、こいつやっぱストーキング女だわ。
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