一界目 荒れ地と空

15/22
前へ
/27ページ
次へ
「ん? 良いよー。眼帯くん」 眼帯くんって多分俺だけど、その眼帯くんってのは止めてほしい。 「ん、じゃあ、さっきノエルは、俺達が全滅するって言ったよな? あれはどういう意味だ?」 「勘が鋭い眼帯くんなら気づいてると思ったんだけどなー? 」 「勘が鋭い? どこかだ。どっちかって言ったら、鈍い方だぞ?」 「うっそだー。本当はなにをするか気付いてる癖に」 ノエルはけらけらと笑いながらそう言った。 こいつはふざけた野郎だが、危ない。 存在が。 雰囲気が。 その張り付けられといる笑顔が。 危ない、というよりは恐い。 「それともう一つ」 「あ、今話し逸らした」 「うっせ。じゃなくて、さっきお前、此処に五十人居るとか言ってたろ?」 「うん」 肯定するノエル。 「此処には今、倒れてる奴含めて、二十人ほどしか居ないぞ?」
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加