一界目 荒れ地と空

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俺はこの荒れ地を見渡しながらそう言う。 と、同時に、尿意がいきなり押し寄せてくる。 あ、朝トイレ行ってねーや。 「隠れてるからだよ。確かに此処には五十人の人間がいるよ」 隠れてる--。 否、隠れてるわけじゃない。 確認して良かった。 俺は俯き、ほくそ笑みながら呟く。 トイレに行きてぇと。 が、今はシリアルな感じだ。 誰かに聞こえてはならない。 そして最後に俺はノエルに問い掛ける。 「ノエル、トイレ何処? やばい漏れる」 「え? は? うぇ!?」 「死ねよ糞野郎」 俺を罵倒したのはセーラー服少女。 さすがにそれは非道い。
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