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俺はため息を吐きながら、一応メールの文章を確認する。
「はぁ」
メールの文章はこうだ。
『メールちゃんと返信しなさい!! 無視は駄目だよ無視は。あれ、もしかして風邪かな? よし、貴方が住んでるアパートに向かいます』
あ、昨日メール返し忘れたわ。
「うはー。まじか。ちょっと待てよ」
うん、淡水一夜っていう女はお節介だ。
結構美人の分類に収まるのにも拘わらず、俺みたいな死に損ないに毎日メールを送ってくる。
それも、数年前から。
今日在ったことを事細かく書いて送ってくる。
俺のことを、あのことを知ってるくせに。
本当にお節介な奴だ。
大体さぁ……。
こんな俺がさ……。
「あんな所行けるわけないじゃねーか。行って良いわけないじゃねーか」
俺そう俯きながら呟く。
そんなこと許されるわけがない。
そんなことを望むなんて、俺にはできない。
許されない。
「そうだ。俺はーー」
ちんたらちーん……。
ぱんぱらーぽーん……。
いきなりだった。
俺の醜い独り言は、奇妙なメロディーに遮られた。
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