8人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
俺が高校生くらいの頃、夜にテレビを見ると、芸人が朝起きたら自分の知らない場所に居た、みたいなドッキリ番組がやっていたのだが。
俺は騙されてやたらリアクションの高い芸人を見て、『んだこいつらキメー』としか思わなかったが、やっと芸人の気持ちがわかった。
なぜ気持ちがわかったか?
なぜならば、俺も怠そうに目を覚ますと、知らない場所にぽつねんと立っていたからである。
「え? なに? ドッキリ? ちょッ!? はッ!?」
俺は一人混乱していた。
当たり前である。
こんな状況下で泰然たる態度の奴なんかいるのだろうか?。
居るはずがない。そんなのは漫画や小説だけの話しである。
だから、失禁しそうな状態の俺も普通のはずだ。
大体、辺り一面が荒れ地とはどういうことだろうか?
折れている朽ち木。
赤黒い色をした奇妙な岩。
そして荒れ果てた大地。
まさに荒れ地である。
しかし、空は不気味なほどに快晴だった。
最初のコメントを投稿しよう!