一界目 荒れ地と空

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「……てか此処どこ?」 俺は一人、今一番知りたいことを呟いていた。 独り言である。 なので誰もこの独り言に答える人は---。 「き、君も気づいたら此処に?」 「うひゃッ!?」 ---いた。 居たよ。 しかも後方に居るよ。 てか変な悲鳴あげちゃったよ。 俺は変な悲鳴をあげてしまった羞恥と、後方の人物への恐怖。 俺は変な汗をダラダラと垂らし両頬を赤く染めながら、声がした方向、つまり、後を振り向くと、目の前にスーツを着た痩せ型のおじさんが疲れた果てた様な、そんな表情で立っていた。 身長は百六十五辺りだろう。 その辺に居そうな普通の中年サラリーマンてのがしっくりくるだろうか? 「だ、大丈夫?」 「う、うへ?」 「あの、なんか苦しそうだから……」 「あ。は、はい。大丈夫です。なんかすいません。あの、貴方は?」 「私? 私は坂市十郎。サラリーマンだよ」 俺の問い掛けに、頗る優しい坂市さんは聞いてないことまで答えてくれた。
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