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「夢の中の君はね・・・何もかも包み込むように温かいの。
顔も穏やかだし・・・。
君とは、ちょっと違うんだよね」
「俺なのに俺じゃないのか?」
「何て言えば良いんだろ~・・・」
彼女は考え込みながら、少しだけ
はにかんでいた。
どれくらい振りだろうか。
彼女の笑顔を見たのは。
「む・・・?どうかした?」
「い、いや・・・何でも」
彼女が笑ったから、俺も無理に
笑おうとしてみたけど、
うまく笑えなかった。
しばらく、彼女の夢の中での
俺の話を延々と聞かされた。
やっぱり俺は
彼女の理想にはなれていないんだ
って、実感した。
そして、
止まる事無く降る、白い雪の中、
俺達はお互いに違う道に進んだ。
帰り道。
彼女との思い出が蘇った。
あの楽しかった日々が・・・。
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