Queen of beret

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始まりは高校2年の夏休み 軽音楽部の私は森という先輩(豚)のバンドのスタジオ練習があるというのでパルコの島村楽器のスタジオにお邪魔した。 森先輩の担当楽器はベースで、1年の時に一度ベースを教えてもらったことがあったが、彼の肉厚な手が気になって重低音どころではなかった。 森先輩の本名は林だが、見てくれがどう考えても熊なので森と呼ばれていた。 影で。 彼は森田という彼女がいたためにさらに我々女子高生の爆笑を誘った。 ※ちなみに森田も軽音楽部の先輩で、武勇伝が凄まじいので後述します。 真夏、履き慣れないヒールで駅の改札を通り過ぎるとありえないぐらい脇を濡らした森が立っていた。 満面の笑顔でマックポテトを立ち食いしながら私に手を振る森。 ああくそ、やめろ恥ずかしい!と思いつつとりあえず案内されるままスタジオに入った。 冷房の効いたスタジオは、色あせた赤い絨毯が敷いてあって見た限りあまり防音されていなかった。 まあ某持ち込みカラオケ店(原宿)よりましか、と思いながらドアを閉めた瞬間に鼻を突き抜ける混じり合った香水のむせかえるにおい! 前髪が鼻まで隠れているボーカルが「あれ?彼女?」と森に聞いている。 死ね!と思いながら微笑んで初めまして先輩の後輩です、と挨拶する。 とりあえず逃げ出したかった
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