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「やっぱりまだ暑いな……」
学校の屋上にできた影の部分に仰向けに寝たままつぶやいた。
暑いのも当然だ、今は9月の初旬。夏休みが終わってまだ1週間もたっていない。
太陽はあいかわらず、俺にその好調ぶりをアピールし続けている。
おまけに今は昼休み。
「でも・・・」
俺はここから見る空が好きだった。
遮るものは何もない。ただ見えるものは青い空、白い雲。
だが突然、俺が見上げる空に向かって聳(そび)え立つ人間タワーが出現した。
人間タワーは俺に向かって声を放つ。
「やっぱり、ここにいたのね……和彦!あんた何堂々と交通委員の仕事放っぽり出して、こんなとこで寝てんのよ!」
(あっ……!)
俺は、今日が交通委員の活動の日だということをすっかり忘れていた。
「わ…悪い!来週は俺が1人で…」
慌てて起き上がろうとする途中、俺の視線は1枚の布切れを捉えた。
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