夏の憂鬱は続く

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「白……」 俺は思わずつぶやいてしまった。 「はっ?あんた何言って……」 (――――!!) そう言いかけている途中で、俺の言っている意味が分かったらしく、顔を真っ赤にしてすばやくスカートを両手で押さえた。 「あんたねぇ……」 そう言いながら、肩を震わせ俺の方へと近づいてくる。 「ご…誤解だ!!そ…そう雲が白い、雲が白いなあ…ぁ、ダメ?」 そう言いながら俺は座ったまま後退りした。 「問答無用!!」 バチーン!! 夏の空に乾いた音が響いた、意識が朦朧とする最中(さなか)、俺が見上げた夏の空は青い。 雲は白い、そして布も白かった。 だが俺の右頬は赤い。
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