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僕らは気づけばそこにいた
白い部屋の中にいる様々な年齢の子どもたち
たまにくる白衣の大人
食事の度に飲む薬
そしてある日突然冷たくなる子ども
僕らはそれが『死』だとは知らなかった
けれども心のどこかでもうその子には会えないと悟っていた
冷たくなった子どもは白衣の大人に何処かへ連れていかれる
連れていかれた後にはまた新しい子どもが来ていた
冷たくならずに長い間いる子どもにも変化はあった
片目を失明する子、風邪をよく引くようになる子、その中で僕は悪夢をみるようになった
しかしその頃は悪夢だとは知らなかった
ただ目が覚めると恐怖に襲われることだけがわかっていた
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