目覚めたら…

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「レナはそういうトコ乙女じゃないし、マセてるから。」 確かにそう。 家族の事を一番よく分かってるのはお兄ちゃんで。 流れに背くのもお兄ちゃんで… 「思い出した。」 「なぁに?」 「『スペシャリスト』…笑ったろ?」 「ゴメンね。つい。」 「あそこで笑うの不自然だろ?」 いい歳をした兄妹が昼間からお風呂に入る。 それは罪という名の欺き。 なんの悪びれもなく… この少し広めなバスタブの中で、kissを一つする度… どこにでもある『温かい家族』に傷をつける。 でも…私達は幸せ。 その罪を背負えば背負うほど。 もっともっと近くに感じて… もっともっと惹かれ合う。 こんなにも惹かれ合うのは、イケナイ事だと分かっているから? イケナイ恋だから… どこまで行っても報われない恋だから? そんな事、気付いてしまいたくないのに。
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