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“それ、見えてるのね?”
「……だ、誰!?」
突然、頭の中で少女の声が木霊した。
“そして、アタシの声が聞こえていると……”
「え……だから……っ」
戸惑う空烏を無視して、声は笑った。
“合格ね”
「な……きゃっ……!!」
同時に、空烏の体が輝きを放ちだす。ふと見下ろすと、空烏の体半分が薄れて消えていくところだった。悲鳴は光に飲まれ、誰にも届かない。
“この世界を救って……”
そんな少女の切なげな声が、空烏がこの現実の世界で聞いた最後の言葉だった。
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