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蓮「正直にいえば、勝てないと思います。
それでも、………それでもでも誰かが足止めをしないと、………」
蓮は、悔しそうな顔で、勝てないことを告げたが、それでも決意した表情をして、タミルに言った。
タミル「無駄じゃよ。
グルガドは猛浪族なので、鼻が良く利くのじゃ。もうわしたちの匂いはばれておる。
たとえ今回は逃げきれても、すぐに見つかってしまうことじゃろう。」
タミルは蓮に悟りきった表情で、首を振るとそう告げた。
蓮「それじゃあ、なんですか?
このまま、ここで殺されるのを待つっていうんですか?
そんなのは間違ってます!子供達はどうするんですか?
子供達まで見殺しにするっていうんですか?」
蓮は悲痛の表情で、叫んだ。
タミル「いや、わしらはそうかもしれぬが、子供達はそうではないのじゃ。………
そこでレン、おぬしに頼みたいことがあるのじゃが、よいか?
今子供達はの、村に危険になったときのための、秘密の脱出路の先で遊んでおる。
おぬしには、その子供達を連れて、最寄りの町にあるギルドへ助けを求めに行って欲しいのじゃよ。
すでに、おぬしの馬車は脱出路の先に用意してあるのでの、よろしく頼む。」
タミルは蓮に頭をさげて、お願いしてきた。
蓮「子供達を連れて、ギルドに行けばいいんですね。
わかりました。ですが、自分はその町がどこにあるのか、わかりませんよ。」
蓮はタミルの願いを了承したが、町がある場所がわからなかった。
タミル「おお、それもわかっておる。
ほれ、これが町までの地図じゃ。
まっ待つのじゃ、地図を見るのは後にして、早く行くのじゃ。」
タミルは蓮に懐から出した紙を渡すと、蓮が開こうとするのを止めて、脱出路の入り口に案内した。
タミル「ほれ、ここが脱出路じゃよ、レン。」
タミルは蓮に脱出路を見せた。
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