第16話

11/22
前へ
/114ページ
次へ
蓮「えっ!? ………まっマジでここから逃げるんですか?」 蓮の目に飛び込んできた光景があまりに、とんでもなかったので、町のギルドに行くという役割を忘れてしまうほど、拒否を示した。 蓮の眼前に現れたのは、直径2メートルほどの長大なトンネルであった。 しかし、その長さは、先が見えず、また角度が20度もあった。 周りは土による壁であったが、地面は凸凹しており、下手すると壁や天井にぶつかる可能性があるほど、危険なコースであった。 蓮「こっここって、本当に子供達は通ったんでしょうか?」 蓮はあまりに危険な脱出路だったので、おそるおそるタミルに尋ねた。 タミル「そうじゃよ。 少し待つのじゃ、今おぬしが乗り込むものを持ってくるからの?」 タミルは蓮に肯定すると、蓮の背後を見ながら、そう言った。 蓮「ん?乗り込むもの? なにかあるんですか」 蓮はタミルの目線から、振り返ってみると、……… ゴロッゴロッ 蓮「へ?」 タミル「ようやっと、来たみたいじゃの。」 奥から現れたものを見て、蓮は固まり、タミルは待ち望んでいたようにそう言った。 蓮「タッタミルさん? こっこれはなんに使うんですか?」 蓮はギギギギギギッとタミルの方を振り向くと、予感よ外れていてくれと言わんばかりに聞いてきた。 タミル「レンよ。 なにをゆうておるのじゃ、おぬしはこれに乗り込んで、脱出路から、逃げだすのじゃ。」 蓮の懇願を否定するように、タミルは蓮に説明した。 蓮とタミルの前に運ばれてきたのは、直径が1.8メートルほどの土でできた球体であった。
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!

494人が本棚に入れています
本棚に追加