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蓮「俺はただ旅をしているだけですよ。
この村に来たのも、ポートグラフから、北に向かって馬を進めていたら、着いただけですし、………
でも、困ったな。野宿をしたら、絶対に凍死するだろうし、………
旅人が訪れないってことは、宿ってこの村にないですよね。」
蓮は、自分のことについて、説明すると今夜の宿について、考え始めた。
タミル「宿はこの村には、ないが家で良かったら、泊めてやるぞ。
だが、レンよ。先ほど話したことに嘘偽りはないの?」
タミルは、蓮に自宅を貸すことを申し出ったが、ふと真剣な表情になると、蓮に確認をした。
蓮「!?
………はい。嘘偽りはないです。」
蓮はいきなり、真剣な表情をしたタミルに驚いた。が、自分も真剣な表情でタミルの目を見ると、頷いて答えた。
数分見つめあっていた2人、
タミル「………そうみたいじゃな。
疑ってすまんのレン。
この村に、なんの目的もなく立ち寄る村人なんて初めてなのじゃ。
一応わしは、村長として幹分ける必要があったからのぉ。」
タミルは、一言呟くと蓮に頭をさげて謝り、事情を説明した。
蓮「いえ、部外者は俺の方ですし、気にしないでください。」
タミル「そうか。すまんのぉ。」
蓮がそう言うと、タミルは頭をあげて、もう一度謝ったが、それは感謝であった。
それから1週間、
タミルが1人暮らしだったということもあり、雪かきや掃除など、家事の手伝いをして過ごした蓮は、いつしかタミルだけでなく村人たちとも仲良くなっていた。
そんなある日、
村人A「ぐはっ!!
みっみんな密漁者だ!
密漁者が来たがはっ!?」
日中、雪がやんでいる間に雪かきに勤しんでいた蓮は、村の入り口で警備をしていた村人が、そう叫んで、倒れるのを目撃した。
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