第16話

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蓮「俺はただ旅をしているだけですよ。 この村に来たのも、ポートグラフから、北に向かって馬を進めていたら、着いただけですし、……… でも、困ったな。野宿をしたら、絶対に凍死するだろうし、……… 旅人が訪れないってことは、宿ってこの村にないですよね。」 蓮は、自分のことについて、説明すると今夜の宿について、考え始めた。 タミル「宿はこの村には、ないが家で良かったら、泊めてやるぞ。 だが、レンよ。先ほど話したことに嘘偽りはないの?」 タミルは、蓮に自宅を貸すことを申し出ったが、ふと真剣な表情になると、蓮に確認をした。 蓮「!? ………はい。嘘偽りはないです。」 蓮はいきなり、真剣な表情をしたタミルに驚いた。が、自分も真剣な表情でタミルの目を見ると、頷いて答えた。 数分見つめあっていた2人、 タミル「………そうみたいじゃな。 疑ってすまんのレン。 この村に、なんの目的もなく立ち寄る村人なんて初めてなのじゃ。 一応わしは、村長として幹分ける必要があったからのぉ。」 タミルは、一言呟くと蓮に頭をさげて謝り、事情を説明した。 蓮「いえ、部外者は俺の方ですし、気にしないでください。」 タミル「そうか。すまんのぉ。」 蓮がそう言うと、タミルは頭をあげて、もう一度謝ったが、それは感謝であった。 それから1週間、 タミルが1人暮らしだったということもあり、雪かきや掃除など、家事の手伝いをして過ごした蓮は、いつしかタミルだけでなく村人たちとも仲良くなっていた。 そんなある日、 村人A「ぐはっ!! みっみんな密漁者だ! 密漁者が来たがはっ!?」 日中、雪がやんでいる間に雪かきに勤しんでいた蓮は、村の入り口で警備をしていた村人が、そう叫んで、倒れるのを目撃した。
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