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「Σど…どうしたの?泣いてても言わなきゃわかんないよ?…何があったの?」
マスターの言葉に私は全てを話し始めた。
否定をされて、自分の思いが彼にとって迷惑じゃないか…と不安になった事。
思いを告げてもいないのに、告げたら同じような結果になるような気がした事。
しかしマスターは笑わずに、真剣に話を聞いてくれた。
「だったらバレンタインにチョコレート渡して、ちゃんと気持ちを伝えたら?…言わないで不安になるなら、アタックした方が良いんじゃないかな?」
私は俯いたままゆっくりと呟いた。
「でも…自信無いんです。…チョコレートも自分自身も…。」
マスターは無言のままチョコレートを渡した。
「……え?」
「食べよう?…ユウの店のチョコレートから笑顔と勇気を貰わなきゃ!!…大丈夫♪あやめちゃん泣かしたら、俺がたんまりこき使ってやるから♪」
マスターのくれたチョコレートを口に入れると、甘くて優しい味がした…。
(何もしないで後悔したくないし…。きっと藤城さんの心が篭ったチョコレートだから…勇気貰えるかな?)
そんな考えを持った時、入口のベルが鳴り、藤城さんが入って来た。
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