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「Σ料理ですか?ι…たまにι…しか…ι」
私は苦笑しながらボソッと呟いた。
(さすがに得体の知れない真っ黒な産物なら…何て口が裂けても言えないよぉι)
しかし彼は私に笑顔で伝えた。
「バレンタインにはチョコレートを手作りしたりするんでしょう?…僕なんかいつも作ってばかりだから…」
固まったままの私にマスターが声を掛けた。
「ユウは駅前の洋菓子屋のパティシエなんだよ。…毎年人のチョコレート作ってばかりで、貰えない可哀相な奴だからさ、今年はあやめちゃんが作ってやってよ♪」
(Σマ…マスター!!ι…私が作れないの知ってますよね?ι…しかも相手が本職なら尚更あげられないしι)
私はマスターを睨むとマスターは笑いを堪えながら、ちらっと彼を見た。
「…でも…あやめさんもお忙しいですし…無理言ったら…」
「わ…分かりました。藤城さんとマスターにだけ作ります。」
私の口は勝手に動き、知らないうちに承諾の言葉を発していた。
(Σなっ!!何言ってんだろ!!ι…でも今更取り消せないし…ι……こうなったら覚悟決めなきゃι)
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