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こうして私のチョコレートとの戦いは始まった。
閉店後のキッチンを借りて、買って来た『初めてでも分かるチョコレート』と書かれた本を、隅から隅まで見てみたが、私の脳内は【?】マークで一杯だったι
「…湯煎?…バット?…とりあえず溶かして固めれば…良いのかな?ι」
マスターは不安げにこっちを見て苦笑していた。
「あやめちゃんι大丈夫か?ι…トリュフとかガトーショコラとか、生チョコとかめんどくさい物じゃなくて、簡単なやつで良いからι」
「溶かして固めれば良いんですよね♪…さぁて頑張るぞ♪」
1時間後…
「…………ι」
「……ι」
二人とも無言のまま、出来上がった物を見つめていた。
脂分が分解され固まったために所々白く、形が上手く纏まらず、いびつになったチョコレート…らしき物がそこにはあったι
「……まι…まぁι…初日にしては…良い出来じゃないか?ι」
マスターの言葉に、私の目から涙が一粒零れ落ちた。
「やっぱり…無理ですよ…っ…こんな…こんなの…ぐすっ…しか…作れな…っ…」
溢れ出す涙はポタポタと床に落下して行った。
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