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友達のマイから紙切れを渡された。
『愛華、彼氏欲しいって言ってたじゃん?マイね、パソコンで募集かけといたの!そしたらたくさんきて愛華年上が好きって言ってたから二十歳の人にしといたよ!このアドレスにメールしてみてよ!』
『えー!彼氏ってパソコンで見つけるものなの?』
『だって年上なんてなかなか出会いないじゃん?まぁいいからさっ。やってみて♥』
半ば強引に渡された紙切れには携帯のメールアドレス。
またマイのお節介だ。
(マイだって彼氏いないくせにぃ。ってか、中3の私に興味を持った二十歳って下手すりゃロリコンじゃん!)
と、思いながら紙切れを生徒手帳に挟んだ。
私は愛華。
中学3年生。
受験生だけど勉強や進路に全く興味がなく、
当時安室奈美恵のアムラー現象に影響を受けて暇さえあれば親の目を盗んで化粧の練習ばかりしていた。
マイは3年になってからの友達。
ぶりっ子でなかなか人に好かれない性格だったが、
私はなぜか嫌いではなかった。
この間彼氏欲しいか欲しくないかの話題で私が欲しいと適当な返事をしたばかりにマイが張り切って世話を焼いてくれたのだろう。
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