二人の神

始まりはいつも突然死

｢格好いい少年誌系の物語はここで俺らがこいつらをボコすんだよな｡｣

カンフー紛いなポーズをとりながら､｢ヒーヤッ!!｣と掛け声をかける｡亜玖斗｡対する優斗は｡

｢亜玖斗と同じ人間としてみられたくない｡凄く恥ずかしい｡｣

と､亜玖斗から二､三歩離れた｡

『何こいつら……｡阿呆?』

｢亜玖斗だけね｡僕は常識人｡｣

｢はぁ!?ドSのくせに!!｣

ボス核が周りの下っ端につぶやく声を聞き取った優斗の一言により､二人の言い合いが勃発する｡

相手ももう面倒になったのか､顎で｢殺れ｣と合図を出した｡

自分達に向かってくる男達をみて､二人は慌てて左右に逃げるが､足掻くことは無意味に終わってしまう｡

｢放せっ低能風情がっ!｣

｢痛っ!!どこ持ってんだよ!!｣

二人の反応はそれぞれ違うが境遇は同じ｡
フェンスに押しつけられていることに変わりはない｡

そんなとき､フェンスに異変が生じる｡

なんと､ミシミシと嫌な音を立て始めたのだ｡
そして､二人は見た｡
ボロボロのフェンスが千切れ始めていることを｡

近くに｢触るな危険｣とかかれた看板があったことを｡

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