雫石

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『それがね,死因は不明なんだって。』 優美もまた,首を左右に振る。 しかし,彩のそれとは全く違う意味合いを持っていた。 ここで,この時間の授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。 2人には,どこか遠くの音に聞こえてならなかった。 『警察で解剖までしたけど,原因を解明出来なかったらしいよ。』 そこまで話すと,周りに人がいないか確認するようにキョロキョロと辺りを見渡す。 休み時間になったが,屋上の扉が開く気配はない。 .
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