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「…ッ!!…やはりって何だよ!!一体どういう事なんだよッ!!」
「赤西!!落ち着け!!」
医師に飛びかかるかのように肩を掴み話し出した俺を、亀が全身で制するーー…
「ーー…中丸さんは事故の時、頭部を強く打っています。そのショックで、記憶を無くしているという状態です…」
「ーー…記憶…?」
「一時的なものですぐ思い出すかも知れないし、長く続くかも知れない…断言は出来ません…」
「ー…そん…な…」
「ーー…中丸さん、貴方はエスカレーターから誤って落ちてしまい、ここに入院しています。右足を骨折して、頭を打っています。しばらく入院して下さいね…」
「あ…はい…」
「では、私達はこれで。家族の方が来られたら、また教えて頂けますか?」
「…はい…」
ーー…俺の方を見て言った医師の言葉に、ただ返事だけしか出来ずーー…
ーー…病室を出る医師達の背中を見送ることしか出来なかったーー…。
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