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「ウィーッス♪調子はどうだ?」
ノック音と共に、病室に入ってきたのは聖。
「あ、聖いらっしゃい」
「ここはお前の部屋か、田口(笑)」
ーー…そんな“いつも通り”な会話をしている俺達を、温かい目で眺めてる中丸の姿が見えた。
「ーー…中丸?」
「ん?いや、仲が良いなぁって思ってさ…」
「お前もよく弄られてたぞ、ゆっち」
「ゆっち?」
「お前のニックネーム」
「…そっか」
聖が来たことで、さっきよりも賑やかになった病室ーー…。
最初の頃より、笑顔を多く見せてくれるようになった中丸。
ーー…思い出そうと自分を追い詰めたら、激しい頭痛が襲うみたいで…。
俺達は、苦しんでる中丸が見たいわけじゃない。
思い出して欲しい気持ちと…苦しんで欲しくない気持ちと…。
でも、中丸であることには変わりないからーー…。
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