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U side
「ーー…はぁ…」
昨日も、雄一の所に行けなかった。
亀ちゃんから“またあの自称彼女が来てた”って、夜電話があったけどーー…
何だか怖いよ、あの女性(ひと)ーー…
俺のこと、すげー怖い目で見てるんだ。
「上ぴぃ、おはよ」
ぼーっと考えながら楽屋へと続く階段を上がってたら、後ろから田口の声ーー…
「あ、おはよ田口」
「ーー…上ぴぃ、顔色悪いよ?平気?」
ーー…あまり眠れなかったから、体調万全ではないけど…
「ん、平気。ありがとう」
「おーいっ!!俺も今下にいるからそこで待っててくれっ!!」
階下から響いてきた、聖の声ーー…
「待ってよっか、上ぴぃ」
「…ん」
ーー…その時、階下から聖以外の賑やかな声がして俺達は階段の中ほどから下をのぞき込んだ。
ーー…ドンッ!!!
「ー…えっ…」
階下の声に気を取られて、後ろから押された事に気付かなかったーー…
そしてーー…
「ーー…ッ!!」
左腕に走った、鋭い痛みーー…
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