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「ッ!!上ぴぃ!!」
階段から落ちかけた俺の体を、左手で手すりを掴み、右手で俺を抱き止めた田口がギリギリの所で守ってくれたーー…
「ッ!!上ぴぃ!!血が出てる!!」
ーー…バタバタバターー…
俺が落ちなかった姿を見て、俺を押したであろう人間が走り去っていった。
「聖!!聖早く来て!!」
「何だ、どうし…ちょ、上田!!その腕…」
慌てて上がって来た聖の声と、俺の腕をめくりあげる田口の声で、今自分に起きている出来事に気付くーー…。
ーー…鋭い痛みが走ったのはーー…このせいーー…
ーー…雄一が俺を助けてくれた時についた痣を、消してしまうかのようにーー…
ーー…俺の左腕は、先ほど走り去っていった人物によって切りつけられてしまったーー…
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