緑黄

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今日は恋人の大倉の誕生日。 家で2人でゆっくりお祝いする予定だった。 まぁ、きっと出来ないだろうなとは思ってたけど。 「はぁー…」 いつからこんな風になってしまったんだろう。 付き合った当初は確かに幸せだった。 毎日が幸せ過ぎて、怖くなる程だったのに。 「もう駄目なんかなー」 最近は大倉の態度が面白い位にそっけない。 2人で住んでる家に帰って来る事も少なくなった。 「りょー、」 「しょうちゃん、なに?」 しょうちゃんはずっと俺の恋を応援してくれてた。 付き合う事になったって報告した時には泣いておめでとう、良かったな、って言ってくれたっけ。 「あのさ、大倉と喧嘩、したん…?」 ごめんねしょうちゃん。 周りを良く見てるしょうちゃんにはきっとすぐに分かってしまったんだね。 「してへんよ。なぁしょうちゃん?」 「ん?」 「おれ、別れようかな。」 俺はまだ大倉の事、好きだけど。 むしろ愛してるけど。 だけどさ、あっちに感情が無いのに付き合い続けるって、辛い。 「りょー、でもっ」 「しょうちゃんも気付いてるんやろ?最近大倉がそっけないの。もう終わりや。」 「りょー…」 おれらの話を聞き耳立てて聞いてるおっさんらにも聞こえる様に言ったった。 あは、やっぱびっくりした顔してる。 「亮、おま、早まんなよ」 「せやで、そんな別れるなんて、」 「もうちょっと待てって」 もうちょっと待てって何、 待ったらこの状況が変わるの? 「もう我慢出来ない。辛いねん、…もうおれ帰る。」 後ろでおっさんらとしょうちゃんの呼ぶ声が聞こえたけど無視。 急いで家に帰った。 _
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