10525人が本棚に入れています
本棚に追加
/650ページ
(……田島…、隼人?)
啓輔は驚愕したまま、その若い男を凝視していた。
「……もしや…、田島一樹氏のご子息の…?」
「 良く知ってるな。死んだ親父の事だけじゃなく、俺の事まで 」
感心したような、少し馬鹿にしたような、そんな態度の隼人に、啓輔は表情を強張らせながら一礼した。
「……御名前しか存じておらず、大変失礼を致しました。
私は社長秘書をしております、戸田啓輔と申します 」
別にいいよ、と投げやりな言い方をした隼人は、視線を誌乃に向けると薄い笑いを浮かべた。
「 どーせ君も俺の事、知らないんだろ?」
そう…。
誌乃に至っては、その存在すらも聞いていなかった。
最初のコメントを投稿しよう!