6人が本棚に入れています
本棚に追加
“…やばっ”
「あ、その…」
と言いつつチラッと視線を同じ横の列にいる葵に向ける。
《ばーかッ》と葵の心の声が聞こえ、そのままあいつは俺からフイッと視線を外した。
“なッおまえなー!!”
と思うのもつかの間、ニヤニヤと授業担当がまた口を開く。
「イイ度胸だな。なぁ、桜井?じゃあこの問いが解けるか?」
顔をにやけつかせながら腕組みをしハゲが、洸を見ている。
“めんどくさ。またイビリかよ。つーかそこ、まだ説明してねーとこだし”
諦めたようにガタッと音をたてて洸が椅子から立ちあがり前に出て黒板にスラスラと答えを書いた。
「あー‘ecstacy’ッしょ?」
さっきまでニヤついていたハゲの眉がぴくりと動いた。
「…正解だ。フンッ。ち、ちゃんと静かにしとけよ」
「はあ~い」
洸は嫌そうに愛想笑いを返し、椅子に座る。
チラッと葵を見てみる。
《…ばーか》
口だけ動かし、フイッと顔を横に向ける。
“…ッお前”
《何?自業自得じゃんよ…あッ》
──…コホンッ。
《えっと…ちょっと、邪魔が入っちゃったけど…》
チラッ[壁]_-)
“…お前。俺を見ながら言うなよな”
無視無視…。(葵)
《そういうことで。成りゆきを説明しまーすッ!》
“おい、無視すんなーッ!”
最初のコメントを投稿しよう!