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どん、と音を立てて、静季の机に手をついた。
片目をすがめた私は、ぐっと静季に詰め寄る。
驚いたように瞬く静季。
「今は、どっち…?」
「……真夏」
――何故、わかる。
昨日気まぐれに家で空と並んで当てっこゲームをしてから、一度の間違いもなく当てられつづけて、正直腹が立っている。
同じ格好をしたのに、なんで、なんで。
「何でわかるんだよ!!!」
「何でだろうな、雰囲気…?」
「~~あーもう!納得いかなーい!」
「昨日からそればっかりだな。もういいだろ別に。ただ俺が分かるだけで何の問題があるんだよ」
「…何の、問題も…ないけど」
ただ、腑に落ちなくて。
口調で判断していたならまだしも、外見だけで私と空を見分けるなんて。
そんな人、両親以外に一人もいなかったから。
「まぁいいや。そんで、今日のことなんだけど」
「切り替えも早ぇな」
「難関だよ。体育だよ。僕どこで着替えたらいいか…」
「ああそれな、考えた」
椅子にもたれて、ぐーっと伸びをする静季。
私は自分の席に腰を下ろし、カバンを机の横へと掛けた。
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