2日目

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「トイレだ」 「と、トイレ」 「あそこには鍵がある」  私は自分の目が据わっていくのを感じながら、ようやく苦笑を浮かべる。 「なるほど、と言ってやりたいが、それは僕が考えた最終手段だよ静季」  きょとんとされても困る。 「男子トイレ…だぞ」 「……あー…今更だが、思い出した」  私は 女 の 子 だ !!!  ぽりぽりと頭をかく静季に、ほぅとため息をついて、私は机に顎をのせた。 「ま、結局そうするしかないんだけどな」 「あんた、大丈夫だよ。正直さ」 「ん?」  静季が耳元に口を寄せる。  条件反射で頭をよせた。   「胸、ないじゃん」  ……何を考えてるかは知らない。  でも私は、怒ったぞ。  満面の笑みとは裏腹の、煮え繰り返った腹わた。 「そうだね」  がたりと音を立てて席を立つ。 「おい?」 「ちょっと用思い出した」 「出るなら俺もついて…」 「来なくていい!!!」  面を喰らう静季を放置して私は一人教室を離れた。 「バカ野郎め…」
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