2日目

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 一人頭を抱えそうな勢いで必死に考えていると、ふと、なんとも神妙な声が頭上から降ってきた。 「どうすんだよ…?」 「今考えてる」 「俺も、考えてる」  …静季。  ありがとう。来てくれただけで、少し落ち着いた。  何かあっても、静季がいたらきっと何とかして助けてくれる。 「よーい、はじめ!」  だから、馬鹿だよなぁ、私。  何も考えずに、ボールを高く放り投げ、スマッシュを打ったんだ。  案の定、頭が少し涼しくなって、頬に長い毛が落ちるのを感じた。  こんな大勢の前で、私が空じゃないとばれたら、いったいどうなるんだろうな。  意外と呑気だ、私。  ――――ほら、助けが来た。  わかってたよ。 「空!!」  名前を呼ばれたが顔を上げることは出来なかった。  何故なら、静季が覆いかぶさるようにして私を抱きしめていたから。 「先生、空が体調が悪いみたいなので、保健室に連れて行きます」 「大丈夫か!?分かった。頼む」  そんな会話が遠くに聞こえる 。 「行くぞ」  静季の声は、慎重だった。  かろうじてウイッグを頭上に乗せたまま、私たちはテニスコートからの脱出に成功する。
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