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浴室から出ると、脱衣場には真っ赤なドレスがかけられていた。
「これ、着るの…?」
とても美しく薔薇の様に色づいた深紅のドレス…
こんなに素敵なドレスを、私みたいな女が来てもいいのだろうか?
他にも、このドレスに合わしたように見える下着も準備されていた。
「これも…あの人が選んだのかな…。」
そう思うと、どこか恥ずかしさがあった。
そんなとき、ドアをノックする音がした。
「入るぞ!」
「えっ、嘘?!」
慶吾はなんの迷いもなく扉を開ける。
私は手に持っていたバスタオルで体を隠すが、慶吾は顔色ひとつ変えず話した。
「おい、それに着替えたら部屋で待ってるやつと一緒に別室へ行け。」
別室?
もしかして…私は誰かに体を売らされるのだろうか…。
そんな不安がよぎる。
「わかったなら、返事しろよ!!!」
「は…はい…。」
慶吾の命令的な言い方に、私は何も問うことは出来なかった。
「あの…」
「なんだよ。」
「着替えるので、扉を閉めてもらえませんか…?」
「あ、そうか。わりぃな。」
あの様子だと女の裸なんて見飽きているのだろう。
いや…私に魅力がないのか…。
慶吾が扉を閉めてから、私はドレスをまとった。
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