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部屋にはとても美しい女性がいた。
女性は部屋を私に気づくと、気品に満ちた笑顔を見せ立ち上がる。
「初めまして。
今からあなたに魔法をかけるものです。」
女性はそう言うと、私の手を握った。
「私は百合川 麗子。
麗子でいいから。
一緒にきれいになりましょ!」
女の手は冷ややかで、指先まで綺麗だった。
「美咲さんだったよね?」
「はい…。」
「その顔は、慶吾のやつ何も言ってないんだ…。
せっかくそんなドレス来てるんだから、きれいに着飾らないとね!
私はそれをお手伝いに来たの。」
麗子さんの少し強引な雰囲気は、どこか慶吾と重なる。
「じゃあ、行こうか♪」
私の手を引き、麗子さんはしなやかな足でヒールを鳴らした。
「あの…」
「ん?どうしたの?」
「私、スリッパなんですけど…」
「ほんとだ!まぁ、靴はあとでいっか。」
麗子さんは笑いながら、先を急いだ。
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