1日目:雨降る夜に

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麗子さんに連れられて行った部屋には、とても大きな鏡があった。 「さぁ、この前に立って!」 麗子さんに手を引かれ、鏡の前に立つ。 鏡には深紅のドレスに包まれた、不格好な私がいた。 「なんか、かわいそう…。」 私は自分の姿にそう呟く。 「どうしてそう思うの?」 麗子さんが問い返す。 私はうつむき加減で答えた。 「こんな素敵なドレス…このドレスだってもっといい人に着られたかったろうなって…。」 その言葉に、鏡に映る麗子さんは微笑って見せた。 「確かにかわいそうね。 素敵なドレスを着てるのに、そんな顔されたんじゃ。 今からあなたはもっと綺麗になるの。 ドレスに負けないくらい、素敵な笑顔をしないとね!」 麗子さんの笑顔に、私も少し期待した。 残り短い人生…なら精一杯楽しもう。 いっぱいいっぱい笑おう。 「はい!」 形はどうであれ、私は慶吾との恋人生活を楽しもうと決めた。
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