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「準備できたから、行くか。」
慶吾は麗子さんの出ていった扉を遠い目で見つめながら言った。
「…どこへ?」
ねぇ、慶吾…私たちは恋人なんだよね?
契約でも…そんな顔しないで。
これじゃあ、私が悪者じゃない。
こんなはずじゃないの。
「飯、予約してあるから。」
そう言って、慶吾は私を離した。
何を言っていいのか解らない。
私は嫉妬しているの?
「どうした?
はやく来いよ。」
慶吾は扉を開け、私を呼ぶ。
その姿を直視出来ない私は、この恋に何を望むのか?
今は流れに身を任そう。
今までの自分に誓ったのだから。
人生の最期は楽しもう、と。
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