1日目:揺れる感情

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それからはよそよそしさはあったけど、楽しい食事が出来た。 お互いの過去の話をして、どっちも暗いねって笑って。 誰かと食事して、こんなに楽しかったのはいつぶりだろう。 慶吾の無邪気な笑顔は、私まで笑顔にしてくれる。 誰かに必要とされるって、こんなに幸せなことなんだ。 そう思うだけで、生きていた意味を少し見いだせた気がした。 その後、飲みすぎた慶吾を部屋まで連れて帰った。 慶吾をベットに寝かせ、彼の寝顔を見つめる。 あどけない表情は、出逢ったときとは全く違う。 冷めた目で、獲物を見るように私を見つめていたあの顔とは…。 でもこの短い時間の中で見えてきた彼は、孤独を抱えた普通の男性だった。 もっと彼を知りたい。 カーテンのすき間から差し込む、月明かりに照らされた彼の寝顔を見つめながら、私はそう思った。
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