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2日目:来るはずのなかった朝。
長かった一日が終わり、外は朝日に包まれていた。
「おはよう。」
まだ寝ている慶吾にそう呟く。
「変な寝方したから体痛いや…化粧落としてないし。」
慶吾の寝顔を見つめているうちに、気づけば眠っていたらしい。
そして、私は気づいた。
自分ではかけた覚えのない布団が、私にかけられていることに。
「慶吾…一回起きたんだ。」
嬉しくなって、笑顔がこぼれる。
「なに、にやにやしてるんだよ。」
急に慶吾が目を覚ました。
私は頬を少し赤らめ、顔をそむけた。
「おっ、おはよう。」
眠そうに目をこすりながら、慶吾のまったく飾り気のない表情。
また、新しい彼を見れた。
「帰るから、準備しろ。
着替えなら、そこのクローゼットに麗子が用意してる。
全部お前のだから、好きに着ろ。」
目が覚めてすぐで、少し不機嫌そうに慶吾が言う。
「はい。」
私は化粧を落としたあと、慶吾がシャワーを浴びに来たのと入れ替わりに、服を着替えた。
麗子さんの選んだ服は、どれも素敵だ。
中には一緒にメイク道具も入っていた。
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