2日目:来るはずのなかった朝。

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服を着替え、メイクをする。 誰かのためにこうやって着飾って、容姿を気にして… そんななことが、とても楽しく感じた。 その後、ホテルを出て慶吾の車で移動した。 着いたのは、高層マンションだ。 慶吾に案内され、最上階の部屋に向かった。 「ここが俺の部屋だ。 入れ。」 慶吾は扉を開け、私を中に招き入れる。 モノトーンに統一された、お洒落にコーディネートされた部屋だ。 ただ、そこに生活感は感じなかった。 部屋に入ってすぐ、慶吾の携帯がなった。 「…そうか。 わかった、すぐに行く。」 慶吾は電話を切ると、小さくため息をついた。 「悪いが、仕事が入った。 すぐに終わらせて帰るから、ここで待っててくれ。」 そう言うと、足早に部屋を飛び出す。 初めて入る男性の部屋に突然置き去りにされ、私は戸惑った。 「どうしよっか…」 部屋を見渡すと、倒れた写真立てがある。 悪いとは思ったが、私はその写真を手にとった。 写真に写る幼い少年と優しい表情をした女性。 これは慶吾と母親なのだろうか? ほのぼのとした雰囲気の2人は、幸せに満ち溢れていた。
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