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「ここで、何してる?」
突然、私は肩を掴まれ恐怖で振り返りながら転んだ。
目の前には、1人の男が立っていた。
「あなたは誰???」
私の問いかけに男は口元をニヤリとさせた。
そして私にこう問い返す。
「お前、自殺するのか?」
私が小さくうなずくと、男は私に手を差しのべた。
そして私がそれに掴まり立ち上がると、男は私に話し始めた。
「なぁ、俺と契約しないか?」
「契約?」
「あぁ、実は俺はここに退屈を埋めに来たんだ。」
そして男は、ポケットに忍ばせていたナイフを差し出した。
「俺はここで自殺志願者を探していた。
もう退屈過ぎて生きてる実感なくてさ…
で、思ったわけよ…人を殺すってどんな気分なんだろうって。」
男はナイフを眺めながら薄ら笑いを浮かべた。
「私を殺したい???
なら好きにして…どうせ死ぬ気だったし…。」
「言ったろ?契約だって。
お前の命をもらう変わりに、1つだけ願いを叶えてやるよ。
金ならいくらでもある。
俺に出来ることならなんでも言え。」
欲しいもの…
私の欲しいもの…
私が欲しいのは…
「愛されたい…」
私は小さくこう漏らした。
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