生死の問答

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こんな妄想をするのは、どうしてだろう。 独りだからか。家族はいても。 でなきゃ、この妄想の裏にある、氷の様な黒い種があるからだろう。 これには、私の心臓がうつ言葉が、たくさん詰まってる。 風にあたって、カタカタ揺れながら窓の側で、陽の光を横目にしている。 寒ければ、自分の体を目一杯動かして、陽の下に行けば良いものを、私は動かずにいる。 行きたくないのか私。 (種の言葉) ★行って光を見つめても、深く心をつくものがない。光に慣れてるから。陽の暖かさにも。 (幽霊の言葉) ☆それなら、暗い中で凍えても良いのか ★その闇も強さになるから。 ☆本当にそれで良いのか?あの陽の中には、天使の魔法があるというのに。 ★ああ、どうせすぐに悪魔がくるんだ。 私は悪魔から逃れられない運命だから。 ☆笑って過ごせるんだ。嬉しいことが絶対にある。楽しいことも。幸せだって訪れる。 ★けれど、また、こうして、命の問答をするんだ。 生の問いかけと答えさ。 そういう気持ち。井戸の底に落ちて遠く輝く空と、小鳥の歌を羨ましく思うんだ。絶望に少し似た気持ちを。 その中で問われた質問の答えはいつだって、「どうだって良い」になる。
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