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少々息抜きしましょう。
朝原さんは今夜も病棟の見回りをしています。
そして、ある病室の前で立ち止まりました。
部屋の中から微かに物音が聞こえた気がしたからです。
たしか、ここは、癌の患者さんの闘病室…。
まぁ、様子見をしてみよう。
そう思って、朝原さんは中に入りました。
部屋に入ると、
…ーぁん、…ぃ…ょ…ー
という声が。
患者さんの声かな?と、思って、少し近づいて見るとはっきり声が聞こえてきました。
「かぁーんごふさーん、いたいよぉー…かぁーんごふさーん…」
「!?」
そうだ。ここは顔に癌がある患者さんだ。
顔は神経が集中しているから、痛みは相当だろう。
「ぃ…ょう…かーんごふさ…」
カーテンの隙間から、助けを求めるように白く痩せ細った手が伸びてきます。
で、でたぁー!!
じゃ、なくて…。
でも、ホンモノより…
絶対怖い!!
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