5182人が本棚に入れています
本棚に追加
それから延々とノロケなのか愚痴なのか分からない話に相づちをうって、笑って。
締めくくられる科白はいつも決まっている。
「じゃあ怜、彼氏出来たら教えてよ?」
「はいはい」
「絶対だからね?可愛いんだから出来るよ!」
にこりと笑って、ファミレスの前で南北に別れる。
私は家へ、理花は彼氏の家へ。
理花の話の後はいつもそう。
一人家路に着くと、壊してしまいたい衝動に駆られる。
それだけの愚痴を聞いて、彼氏を作りたくなる神経が分からない。
メリットは?
デメリットばかりじゃないの?
「ある意味職業病だ…」
私の職業柄、なにかと原因や提案を突き詰めることが多い。
プライベートでそんなことを相手に問い詰める必要もないから、詰め寄ったりはしないけれど、仕事なら確実に言い負かす。
理花の恋はそんな矛盾を多大に含んでいた。
最初のコメントを投稿しよう!