聖の受難

7/8
582人が本棚に入れています
本棚に追加
/304ページ
「何だよ、上手く結ばれたってことね」 お前にしちゃ、手ぇ遅えな。 港は感心したように言った。 「遅えも何も、あんな純情娘、簡単に手ぇ出そうもんなら一発でアウトだろ」 天然だし。 付け加えたあとで聖はガクッと項垂れた。 昨日のやりとりを思い出し、自分で自分に吐き気がする。 「あいつはなんつーかな…甘すぎんだよ。体とか砂糖で出来てんじゃねーかって感じ」 「そんなノロケ聞きたくなーい」 うらやましいぞコラ。 と言いながらも港の顔は穏やかだった。 それに聖も気づき、苦笑いをする。
/304ページ

最初のコメントを投稿しよう!