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「まぁ、早く治せよ。空もさらに忙しくなっちまって可哀想だ。」
「あぁ、さっきも見舞い来てすぐ帰ったわ。生徒会の仕事があるっつって。」
「出来た奴だな。爪の垢煎じて飲ませてもらえよ。」
「うっせえよ。……あ」
そういえば。
と港は思い出したように目を見開いた。
「アイツ明日帰って来るわ。朱雀の」
「まじ?」
「アイツ、美愛みたいな奴ツボなんじゃね?」
「…………」
聖が一瞬固まった。
「まあ、大丈夫だろ。お前がちゃーんと捕まえとけば。」
「……言われなくてもそのつもり。」
聖は抑揚の無い声で呟やいて、暫く話したのちに病院を後にした。
聖の苦悩は、ここから始まる。
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